はじめてオンラインで面接をした。
zoom自体はしたことがある。
友人とだったり、転職エージェントだったり。
でも、自分の就職につながるタイプは初めてだ。
今となってはオンラインでの面接や会議も当然に行われているが、数年前、コロナ前では考えられなかったように思う。
私は当時も転職活動をしていた。
それも県外で。
自粛自粛と言われていたが、働かなければならないのだから関係ない。
飲食店勤務だった私は大ダメージを受け、めっきりお客さんが減りガランとした店内でひたすら掃除に明け暮れていた。もはや清掃業者だろうかと感じていた記憶がある。
かといってお客さんと対面するのも当時は恐怖だった。
あれだけマスクをと騒がれていたのにしていない人も多かった。
まして飲食店なのだから飲食するときはどうしたって飛沫が飛び散る。
その飛び散っているであろう飛沫を拭くのだ。
机、椅子、アクリル板、ボタン、ドアノブ、至る部分をひたすらアルコール消毒する。
普段なら気にならないが、『飛沫』『感染』と騒がれているなか、私はいつ感染しているのだろうとストレスだった。
当時はみんなそうだったのだろうが。
そんな状態のなか次々と休業や閉店に追い込まれる飲食店やアパレル産業。
いつ我が身に降りかかるだろうかと不安だった。
実際、短縮営業や約一ヶ月の休業に追い込まれた。
在宅ワークに切り替えられた方や、逆に業績が伸びた企業にお勤めの方が羨ましかった。
このままじゃいけない。
資格もスキルもない私が今放り出されたら何も残らない。
そう思い手当たり次第に飲食以外の求人に応募した。
元々県外に行きたい気持ちもあったのでこれを機に県外の求人にも応募した。
意外と面接にはたどり着けた。
コロナ禍だろうが人が足りないのはどこも同じだった。
でも必ず聞かれるのが
「○○店で働いているの?もったいない。本当に辞めていいの?」
だった。
全国チェーンのため知らない人はいなかった。
なにより長く働いていたし、私自身お店が好きだった。
面接でもおそらく不安を全面に出してしまっていたのだろう。
「覚悟が見えない」と言われた企業もあった。
それはそうだ。
「これがやりたい!」という熱意でなく「どこなら安泰なのか」で考えていたのだ。
それにどこが安泰かなんて誰にもわからない。わからないけど動かなければ…!と動いていたのだから。
県外県内と色々応募したが、感染拡大し県内であっても「○市の方はちょっと…」と応募の段階で断られるようになった。
その頃からだろうか。オンライン面接という言葉が出てきた。
しかし当時私はパソコンを持っていなかった。
さらには当時のスマホのプランが通信制限6GBまでだった。加えてWi-Fiもない。
zoomなどとてもじゃないができる環境じゃなかった。
今思うとどんな生活をしていたのか自分でも不思議で仕方ない。
「オンライン面接できますよ♪」
と言ってくださる企業もあったが私ができない。
結局転職は諦めた。
あれから3年経った今、ようやくはじめてのオンライン面接にたどり着いたのだ。
自宅にいながら面接なんて。
あのノックは何回とか履歴書の書き方や渡し方、お辞儀の角度やら面接場所まで向かう手間、何もいらないじゃないか。ついゆるっとしてしまった。
そして面接官の方も慣れていらっしゃるのか終始笑顔でとても心地よかった。
面接で心地よいってなんだ。
とにかく気張らずゆるっとした時間だった。
結果はさておき、経験と勉強になったのだ。
振り返り反省点を洗い出し、明日の面接に備えよう。
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